2009/09/13

蟷螂

カマキリ、が結構好きです。

全てが細長いパーツに、三角形の頭。

あのフォルムは完璧だと思う。

そして、あの真っ黒な大きい目。

気持ち悪いくらい人工的なのも、なんか心ひかれる。


英辞書を引いてみるとpraying mantisとある。

(pray、祈る)

前でずっと合わせてる鎌が由来しているのか。

なるほど、と納得。

面白くなって調べてみると、日本語でも拝み虫とか言うことあるらしい。

mantisというのも、ギリシャ語の”預言者”が語源だとか。

なんだかすごく立派な雰囲気。


昨晩、郵便ポストの横の壁に張り付いてじっとしてるのを見つけて

私もヤツを見つめてしばらく突っ立ってみたけど、その間も微動だにせず。


カマキリが好きだ、なんて末恐ろしいな。

みたいなことをずっと昔に祖父に言われたことを思い出した。

小学生の頃、夏休みで帰省していた時。

干されたバスタオルに摑まって交尾してるカマキリのつがいを見つけて

こっち来てみろと祖父が私を呼んだ。

常に不機嫌そうで、口数も少なくて、

何考えてるのかよくわからんおじいさんだったので

怒ってるわけじゃないのは知ってても、私もこれといって話すことはなく

静かに2人並んで重なり合った大きさの違う2匹を2人で観察。

重なった2匹も動かず、しばらく時間が経つ。

と突然、下にいた大きい方のメスが、ぐわっ!と鎌を持ちあげて

上に乗っかってたオスの細長い首をぐしゃっと掴んだ。

うお、と小さく祖父が声を漏らす。

自分に比べて貧相なオスの頭にかぶりついて

今まで動かなかったのが嘘みたいなスピードで

そのメスは足やら羽やらを残してあっという間に喰いつくしてしまった。

交尾後、メスがオスを食べるのは知っていたけど

実際見るのはそれが初。

私があっけに取られてる間に

タオルに産まれちゃいかんと、

祖父はひょいとお腹のパンパンなメスをを草むらに放り投げて

俺はあんまり好きになれんわ、とそのままどっかへ行ってしまった。

土の上に落ちたオスの残骸を見て、あの時私が何を思ったのか、

そこは何故か思い出せない。

その日の夕食時にその話をしたら、

父や叔父が「産卵には体力が必要だ」、とか、

「他のところで子供作らせないんだ」とか

もっと子供向けに言葉は選んでただろうけど、そんなことを言ってた。

祖父は、お酒が入ってたので通常時より随分饒舌ではあったけど

それに対しては何も言わず、笑ってただけだった。



もうひとつ、面白いことに

英語で同音異語にpreyという単語があって、

これは”捕食”、”犠牲”という意味。

何とも言い難い不思議というか、あまりにも出来すぎてるような気がする。

1 件のコメント:

Yuki さんのコメント...

ふけーな。かまりき。